矯正治療Q&A

カウンセリング時に皆さんから多く寄せられるご質問へのお答えをまとめました。

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なぜ、矯正歯科治療が必要なのですか?
「歯並びの悪さを気にして大きな口を開けて笑えない」など、日々の暮らしの中で、歯並びが原因で精神的にストレスを感じていらっしゃる方には、矯正治療が助けになることでしょう。
矯正治療を終えた患者さんからは、「歯並びが良くなり自信を持って笑えるようになった」という感想を、必ずと言っていいほど頂きます。
また、矯正治療により口元がすっきりしてキレイになる場合もあります。歯並びや、口元のコンプレックスが無くなり、自信が生まれるのが最大のメリットではないでしょうか。

歯並びが整うことにより、歯磨きの効率が良くなり、虫歯や歯周病になるリスクが低くなることも期待されます。
さらに咬み合わせの良し悪しは、見た目のこと以上に、身体の健康にとっても重要な役割を果たしていることを忘れてはいけません。

世界中でグローバル化が進む中、日本国内に居ても外国の方と接する機会は多くなってくることでしょう。アメリカ、ヨーロッパはもとより、アジアでも韓国、香港、シンガポールなどでは矯正治療が一般に浸透してます。そういう意味ではやや遅れている感のある日本の現状は、多くの外国の方からは「なぜ歯並びが良くないの?」と不思議がられる程であるかもしれません。
なぜ、矯正歯科は長い時間がかかるのかですか?
歯には“歯根”という根っこがあり、歯槽骨と呼ばれる骨の中にその歯根は埋まっています。矯正装置を装着することにより歯に力が加わると、歯根に圧迫された方の骨が吸収されて(溶けて)歯が動きます。

そして、骨が動いて隙間の空いたところに、やがて新しく骨ができます。
その一連の骨の改造に最低2~3週間がかかり、その間は治療期間をあける必要があります。無理に短期間で歯を動かそうとすると、“歯根吸収”といって、歯根が溶けて短くなってしまうこともあるのです。

このように、歯と歯周組織の健康を維持するためには、治療と治療との間に一定の期間をあける必要があるため、矯正治療にはある程度の期間がかかることになります。
部分矯正はしてもらえますか?
当院では、患者さんの一番気されているところをピンポイントで治療する「部分矯正」も行っていますので、ぜひ一度ご相談ください。

ただし、そのご希望の部分を治すために、奥歯など別の部分の咬み合わせの治療が必要になる場合もあります。まずはきちんと検査をして問題点を把握し、患者さんがどこまで治したいのか、それにはどのような治療が必要なのかを話し合いながら治療を進めていきます。
矯正治療では、必ず抜歯をしなければならないのですか?
顎は細いのに歯は大きいなど、物理的に顎の骨の中に歯が並びきらないときには、小臼歯と呼ばれる糸切り歯の後ろの歯の抜歯が必要になる場合があります。

もちろん医師としては、患者さんの大切な歯を抜かずに治療する方法をいつも第一に模索しています。歯を並べるのに足りないスペースを補うために歯列のアーチを広げたり、奥歯を後ろに動かしたりと、さまざまな方法で治療をすることもあります。
しかしこれらの方法には限界があるため、歯をキレイに並べるためには、やむを得ず抜歯を選択することもあるのです。

いずれの治療においても、まずはきちんと検査をして問題点を把握し、抜歯をした場合としなかった場合に、口元がどのように変化するかの予測画像をコンピューターによるシュミレーションで見ていただき、患者さんのご希望をうかがいながら、ご納得いただいた上で治療を進めていきます。
矯正治療は痛くないのですか?
矯正治療というと、「痛そう」と思われる方が多いようです。
しかし現在では、以前より柔らかく、力の弱いワイヤーを使用しているため、「ほとんど痛みを感じない」という方が増えてきました。

ワイヤーを通すブラケットという器具も、歯が動く際の摩擦が少ない装置が開発され、ワイヤー装着時の痛みを大幅に軽減できるようになりました。

それでもワイヤーを初めて入れた方の中には、「歯が浮くような感覚がある」、「にぶい痛みがある」、「堅い食べ物を食べると歯が痛む」などの違和感を持たれる方がいらっしゃいます。
しかしそのような感覚も、多くの方は3日程で落ち着くようです。つまり、痛みが有っても必ず時間と共に慣れ落ち着くのです。

大学病院に勤務していたころは、痛みに敏感な患者さんに市販の痛み止めをお勧めしたたことがありましたが、近年矯正装置の改良が進んだことにより、現在ではそのようなこともなくなりました。
いつ矯正治療を始めたらよいでしょうか?
矯正治療を始める時期は、程度の強い出っ歯や受け口で、顎の骨格に原因のある場合は、小学生低学年など早めに治療を行うのが良いでしょう。

その他の場合の子供の矯正は、もう少し後の小学生3~4年生くらいから始めることを当院ではお勧めしています。

また、乳歯のある時期の、子供の矯正が必要ない場合もあります。
その場合には後に全体の矯正を行いますが、治療の時期は、一番奥の奥歯(前歯から7番目の歯)“12歳臼歯”と呼ばれる歯の根っこの2/3ができるころが一番良いとされています。
つまり、歯の生え換わりが早い方で小学生6年生頃、遅い方で中学生2年生頃になります。

しかし、大人になってからの矯正治療が遅過ぎるということではありません。
歯を支える歯周組織に問題がない場合は、50代でも60代でも矯正治療は可能です。
矯正治療後に後戻りはしないのですか?
矯正治療で歯を動かした後、ワイヤーを外してそのままにしておくと、ほぼ確実に“後戻り”をしてしまいます。そのため、後戻りしないようにリテーナーという、後戻り防止の装置を使います。これはご自分で付け外しができる装置です。

ワイヤーを外した最初の3~4ヶ月は歯が動きやすい期間ですので、当初4ヶ月は食事の時と歯みがきの時を除き、日常的に装着していただきます。
4ヶ月経過し問題がなければ、日中は外し、夜寝ている間だけ使用するように、装着時間を短くします。
この装置は、ワイヤーを付けていた期間と同じくらいの間はお使いいただくことになります。

2~6ヶ月に一回の頻度で、リテーナーがしっかりと合っているかどうかなどをチェックし、後戻りを防ぐための保定、メンテナンスをさせていただきます。